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装甲悪鬼村正 鏖 [装甲悪鬼村正 その他、外伝系感想]

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「装甲悪鬼村正 鏖」の感想です。

あらすじはこちらから。

画像は後日追加します。一先ずは感想だけ。
※追加しました。


◆序盤

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物語はゲーム本編より以前(ただし、銀星号を追って二年近く経っているそうなので、一編には近い時期かも)、雉飼島(きじかいじま)に瀕死の四人が流れ着き、それを網本(漁網や漁船を所有する漁業経営者のことだそうな)の娘・平居水魚(まな)が見つけた所から始まります。
後々の事を考えると、この頃のハツラツとした水魚が切ないですな…。善意の人助けのつもりが島にあんな破滅をもたらすとは。

どうでもいいですが、水魚はボクっ娘です。

◆グロテスク
一回目の通読時に特に目に付いたのは、残酷描写。とにかく人が斬られまくります。下は子供から上は老人まで、ヒロインだって散々です。ゲームだとビジュアル的にはボカしていた訳ですが、鏖の場合はむしろ積極的というか、もう断末魔が描かれまくりでビックリしました。
ああ、ふきとかふなとか思い出してなんだか憂鬱になってきた…。まぁ鏖編の場合、殺戮を行っていた連中が残虐非道だったりするのも惨い描写になる理由の一旦だとは思うのですが。

◆高木勘兵

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今回の敵のボスと言った所。
愛刀は固山宗兵衛宗次。村正に壊された劒冑の刀だそうで、かなりの切れ味だそうな。ちなみに勘兵の劒冑は卵に侵食されていたようで、宗次にはその残滓が残っている模様。
元は罪人の首を斬る首斬り役人で、現在は不治の病にかかり、持って後一ヶ月の命とか。
今回新たな劒冑と契約した訳ですが、病の進行を遅らせる事は出来ても、もはや回復する事は不可能のようです。

「……ヘヘ…ラクになったヨ…………。先に地獄で待ってるぜ…湊斗景明…」

村正の呪いについて熟知している点から、あるいはそこそこ村正とは追い追われる関係が長かったのかも。
姉妹を相殺の生贄として生き残らせておき、村正に敗れた時の事も考えていたり、それなれりに湊斗さんに執着を見せていたりと、殺人鬼としての同属嫌悪とかあったのかな?
腕は武士としてしっかりとしたレベルのようですが、湊斗さんを不調と侮っていた為か、最後は電磁抜刀を受け敗死。

というか魔界編といい、禍も刀の間合いよりそれなりに遠くまで射程があるんだなー。

◆御神器・天目一箇命草薙(アメノマヒトツノミコトクサナギ)

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我が身 既に鉄なれば
我が心 既に空なれば
生者必滅

島の御神体として守られ、GHQの劒冑狩りを逃れたのだとか。ここら辺は村正も同様でしたね。

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「平家の末裔たる私達は本物であると信じています」

水魚の妹、海魚(みな)のセリフ。
帯刀の儀に多くの人間の血を求めるような妖甲が本当に草薙なのかは怪しい所。
勘兵は草薙でも使い慣れた宗次を使っていますが、元の太刀の方は蛮刀なのかなこれは。
水魚が持っていたのが本来の草薙の主武装・都牟刈(つむがり)。劒冑の甲鉄よりも固く鍛えてあるらしく、切れ味は抜群。
ちなみにこの草薙、散鉄煙幕(チャフスモーク)という面白いカラクリも備えています。神代の作でそんなの仕込むだなんて大した鍛冶師です。

ミヂチ…スズチ…オヂチ…

陰義は"臥蝕の牙"。普通の人間なら百回は死んでいるような猛毒。
村正もぼやいていますが、直接噛み付いて毒を流すとか…空戦理論の整う前の劒冑ってこんなのが多いのだろうか(汗
紀元前の劒冑ならそれも仕方が無いのかな?

…島で鬼が暴れた時に退治したという伝説があるそうですが、それが今の妖甲になったきっかけだったりして。なわけないか。

◆湊斗さん&村正

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野太刀の迫力が凄い事に。
魔界編とはまた違いますが、こちらの劒冑作画も中々カッコいいです。
野太刀が失われる前ということで、攻撃性能も含めて、諸性能の低下の無い完全な頃の三世村正な訳ですが、まず島まで合当理で飛んできた時点でかなりの熱量を消耗し、更にそこに毒を受けたということで、終始力を発揮出来ていません。
今回の敵は、ぶっちゃけ完調なら遅れを取るような連中では無いのですが、主人公は湊斗さんというよりは水魚の方なので、これはしょうがないかも。言ってしまえば、水魚がとにかく酷い目に合うのが話の中心ですし。

鍋の番させられたり触手プレイ(※独立形態時に)にあったりと、蜘蛛正さんも見所多し。

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水魚が湊斗さんに色目を使うのを見たり、海魚が湊斗さんに抱きついてたり(助けようとして)するのを見て嫉妬するのも可愛らしいです。後、毒が体に回って辛そうな湊斗さんを雨の中背負ってるシーンも好きですね。
作品は中々ハードですが、三世村正さんのヒロイン力に陰りは見えませんな。

湊斗さんの方はというと、ひたすら不調が続いているので、元々の特徴である暗い顔に不健康さも加わって、作品の陰鬱度の上昇に一役貢献しているような(笑)。

◆更科右近

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勘兵の乾分(子分)の一人。

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とんでもない外道ですが、ある意味掲載誌のREDらしいというか、作品のエロ担当という重大な任を仰せつかっているキャラクター。
拘束された時の水魚の下腹がエロス(上の画像とは別です)。……何言ってんだろ自分。
鍛冶師の命と引き換えに生まれた真打劒冑を使って、婦女暴行に及ぼうとしている罰当たりにして最低な奴です。自分が劒冑なら泣くかも。いや、普通の劒冑は泣かないですけどね。

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右近は島に封じられていた劒冑の一つ、坤竜を纏います。
…纏うのですが、技量の方は最底辺。なんと生身の湊斗さんに、甲鉄の隙間から"吉野御流 打潮"を決められてしまいます。

ちなみに打潮は、一刀流で言うところの切落。
一刀流の極意"切落"という技は、なんでも、相打ちになることを厭わない捨て身の精神で放たなければいけないのだとか。生き延びようなどと思っていてはまず成功しない術技なのだそうです。

麻我礼麻而去流(まがれまじこる)
麻我礼麻而去流(まがれまじこる)


陰義は、血の海に劒冑の金探からも隠れる"血見泥"。
がしかし、殺気丸出しなので湊斗さんには意味が無かったり。駄目駄目過ぎます。
これもやはり草薙と同じ頃の作なのか、陰義は完全に地上戦限定な感じですね。まさか空中に血の海を浮かべられはしないだろうし。つかどんな光景だそれ。

悪い鬼は天にかわってぼくがブチ殺す

見逃してはもらえませんでしたとさ。

◆柳田喪左衛門

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抜け忍にしてやはり乾分の一人。
そしてエロ担当その2でもあります。…まぁ相手は劒冑ですが。
蜘蛛正に触手プレイを敢行するという本物の変態にして稀代の益荒男です。こいつ分かってやがるぜ…(えー

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幾重にも 爛れし腸の 咲く地獄
永久(とこしえ)までも 君に残さん


劒冑の銘は乾雲。
…なんというか、なんとも説明し難い光景を芸術と称しています。知りたい方は書店へGO。最悪の気分が味わえること間違い無し。

布婁部(ふるべ)
由流由羅屠(ゆるゆらと)
布婁部(ふるべ


陰義は"腸弄び"。死体の腸を自在に操作出来ます。
…ってまともな陰義が一つもないな…。なんだかもう大昔のビックリ奇想天外陰義の披露大会になってます。
やってることはある意味凄いのですが、武者同士の太刀打ちで役立つ類じゃないなぁやっぱり。奇策ではあるのだけど。
まぁ村正に「…こんなの…嫌ぁっーっ!!」と言わせただけでも価値はあるのかもしれない…。

村正には余裕で敗れますが、呪いもあってトドメは刺されず。水魚の都牟刈にて殺されます。

◆椚サチ

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乾分の一人。露出の高い服を着た、寡黙な姉ちゃん。
サービス担当かと思ったら、本作トップクラスの酷い死に顔担当という最悪のビックリ箱orz。

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私の花は何の色?
咲くならそっとスミレ色
目立たぬように咲きましょう
目立てば誰かが手折ります
手折られ花は恨み花
涙色した
水下さい
涙色した
雨下さい


劒冑は当麻友則(たいまとものり)。
余談ですが、劒冑の掛け声が「合点!!」で割と凹んでたり…。(管理人のSSの)村雨ェ…。

癇唾(かんだ)
唖幡鳥栖(あまんとす)
癇唾(かんだ)

陰義は"泡躯(うたかた)"。
泡を操る…としか言い様が無いのですが、また酷い使い方がされています。

「これが本当の泡踊り。そう思わないか、友則。フフ…」
≪はあ………(汗)≫


劒冑も呆れてます。

ちなみにこいつも超絶に雑魚です。野太刀の一撃で勝負は決まってしまいます。
つか、三人の劒冑はどれも甲鉄やわそうだなー。
そしてトドメはやはり水魚。

結局乾分三人は水魚に殺されてしまいました。目の前であのような地獄の光景を目の当たりにすれば、連中に殺意が沸くのも不思議ではありません。
けれど、都牟刈の太刀は島の鬼退治に使われた伝説が残っているのですが、外道の鬼を殺す為に水魚自身も悪鬼となっていた…というのがなんとも切ないですね…。

◆決戦

「あんたら殺すのは湊斗景明の仕事だからな」

椚サチが村正に討たれたと勘違いして、姉妹両方とも生かす勘兵。
って、海魚の目と足が…。痛々しい…。
姉の水魚の方は両手を失ってしまいました…。

対峙する湊斗さんと勘兵。
這いつくばりながらも村正を装甲。
雨の中、互いにズタボロ(劒冑ではなく中身が)である村正と草薙が対峙するシーンは結構味があります。
雨音がザァァァァっとしながら、背を丸めて辛そうに装甲を完了するページがお気に入りですね。

両者の決着は上の方にも書いた通り、武人同士の太刀打ちも無く、電磁抜刀の一撃で終幕。

≪じゃあ…次…殺人を始めましょう≫

◆結末

「景明様に斬ってもらえれば、ぼくは…救われるんだ!!」

自分が原因で島の多くの人達が殺されてしまい、また、皆の仇を討つ為に殺人を犯した水魚にとって、自分の好きな湊斗さんに"強く好意を抱いた相手"と認識されて殺されるのが、せめてもの救いだったのかもしれません。
きっと現世に絶望していたのかな。もう元の平和な島には戻らないし、その原因が自分でもある訳で。

しかし水魚の絶望はまだ終わりません。
善悪相殺の呪いが選んだのは、水魚ではなく妹の海魚。
安らかな死に顔を晒す妹を前に、人殺しの自分は湊斗さんに殺してもらう価値も無いのかと放心し、救いを求めて絶叫します。
けれど今度は、神様は勿論悪魔も来てはくれませんでした。
こうして、自分の罪は誰も消してはくれないのだと水魚が悟る所で…完。

◆水魚と海魚

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「人の命を奪えと頼むからには私も相応の対価を支払う覚悟は出来ております。身勝手な頼みの償いは…この私の命で!!」

以前海魚が湊斗さんに、勘兵を討ってくれと頼んだ直後のセリフ。この後に、湊斗さんは自殺しようとする彼女を止めるのですが、

「……海魚殿…その志と勇気、しかと見せて頂きました。高木勘兵はこの湊斗景明が必ず斬ります。この命にかえても!あなたのそのお気持ちは理解出来ますが、今はその御命、大事になさって下さい」

この辺りのやりとりと、後に水魚がサチを惨殺する現場を湊斗さんが見てしまったせいで、相殺対象が決まってしまったのかなぁ。どんな理由があっても人殺しは出来ないと涙する海魚と、憎しみに身を任せた水魚が対照的でしたね。

また、ちょっと変則的ではありますが、自らの命と引き換えに勘兵を討つよう頼む海魚と、結果的に相殺対象として海魚を殺した湊斗さん。ここら辺の関係は後の武帝を彷彿とさせます。

水魚の場合、一条と違って人間的な弱さを普通に備えていた為か、どう見ても救いようの無い悪を殺したにも関わらず、人殺しの醜さと罪深さを素直に認めてる点が印象的でした。まぁそれが普通の人間の反応ではあるのですが(汗

いやはや、感想書こうとじっくり読み直したらドッと疲れた…。村正だなぁ。

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ちなみに裏表紙は本作の数少ない癒し。
姉妹可愛いんだけどなぁ。今回はそういう事を堪能する余裕の無い話でした(苦笑)。


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雪風

始めまして、

邪念篇の感想探していたら、ここに行き着きましたw

救いようがねぇ話ですね・・・塵(汗

かくいう私、邪念篇プレイできてないんですよ。パソコンに搭載されているセキュリティソフトとうまく合わないらしくて、せっかく買ったのに泣けますね。
セキュリティが共用なんで外せないし、ソフトのチエック外しても動かない。
ニトロのサポートはセキュリティ外すか、一時停止しろしか言わないし。
長々と愚痴言ってすみません。やっぱ新しい奴に買い換えた方がいいのかなぁ。

最後に、とても良い感想サイトで感心しました。色々とがんばって下さい。
by 雪風 (2010-11-20 09:38) 

村正好き

自分も読みましたが相当救いの無い話で…
ある意味本編以上(泣)

あと個人的に草薙好きなんであまり強さを感じられず残念でした。
海魚には悪いですが偽物だと信じたい…
by 村正好き (2010-11-20 23:58) 

にしん

>雪風さん
はじめまして。
実を言いますと、自分は邪念編の為にPCを新調したクチだったりします。
古いPCはスペックが低すぎて村正本編のプレイも色々大変だったもので…。
当時20万ほどしたデスクトップが、五万のノートPCに余裕で負けてしまうことに、時代の流れを感じてたり。

管理人は読書感想文すら上手に書けない人間ですので、毎回記事を作る度に首を捻ったりしていますが、少しでもお楽しみ頂けたら本当に嬉しい限りです。
by にしん (2010-11-21 01:30) 

にしん

>村正好きさん
壮絶な話ですよねぇ…。本当に…。

外伝系を複数追っている身としては、ゲーム本編よりも過去の話である"琴乃の劒冑"と"鏖"で、同じ村正系作品でもこんなに味が違うのかと感心したりしました。
それぞれに別のクリエイターさんが関わっているからこその面白味が生まれ、互いに被る事なく、むしろしっかり個性を主張出来てる辺り、村正のメディアミックスは本当に頑張っていると思います。

草薙は本物では無いと思いたいですね。草薙ネタは村正で掘り下げても面白そうなので、またいつか取り上げて欲しい所。
by にしん (2010-11-21 01:43) 

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